雄を以て知る旅。

〜バイクで世界一周の記録〜

強盗

2015年8月29日

僕はミシシッピのグリーンビルという田舎街のモーテルに泊まっていた。

深夜、外に駐車してある僕のバイクからセキュリティアラームからの音が聞こえる。僕は何か異常がないか確認するため、ドアを開けた。これが判断ミスだった。

目の前に長身で40代なかばくらいの黒人の男がいた。僕を確認するやいなや、ドアをこじ開けて部屋に侵入してきた。僕も部屋の中に突き飛ばされる。

「俺は銃を持っている。金を寄越せ」

僕は全く身動きを取らなかった。男は僕のカメラバック、ジャケットを漁り始める。カメラやパスポートの貴重品を見付けても、全く興味をしめさない。本当に現金だけが目当てなようだ。

部屋は涼しいのに、男の額からは玉汗が浮かび、Tシャツが濡れていくのが見てとれた。犯罪に会っている最中だけど、この人大丈夫かと思ってしまった。

男は現金70ドルを僕のサイフを見つけて握りしめる。「誰か呼んだら殺してやる」それだけ言い放つと、男は僕の僕の部屋から出ていった。

日中になってようやく警察署に出向く。警察署ではどうしてすぐに来なかったのだと言われたけど、夜間は身の危険を感じて身動きが出来るわけなかった。

 

そして警官からは被害届を出すにも10ドル払う必要があると言われた。現金は盗まれて無いと言っているのに。

 

おまけに今日は土曜日だから、休日を挟んで月曜日の発行になるらしい。こんな町に二日も滞在していたら今度こそ身包み全部剥がされかねない。いや、身包みだけなるまだ良いのか。僕はさっさとこの町を去ることに決めました。貧乏ミシシッピなんてもう二度と来るか。