雄を以て知る旅。

〜バイクで世界一周の記録〜

ロシアのライダー達

6月24日

暗鬱たる気分のまま、目が覚める。

バイクのジャケットは先日の転倒で真っ黒だ。かなり気に入っていたのに、残念だ。自らの不注意さを呪う。ラフロの関根さん、ごめんなさい。

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バイクも真っ黒に汚れて酷い。この黒い液体は粘度があってなかなか固まらない。この日も僕は黒く汚れることから始まる。

しかし、バイクも僕も汚れているだけで殆ど無傷なのだ。本当に幸運だ。

今日もしばらく走ったら黒い液体をぶちまく道路工事の場所を通った。今回は最初から路肩を走って無事に抜ける。ロシアの道は舗装化されていると思ったらとんだ落とし穴だ。僕は不整地より、穴ぼこだらけの道路より、この舗装工事中の道が恐ろしい。

パーキングエリアにとまって休憩していると、一台のバイクが走ってきた。僕が挨拶のため手を振ると、彼もパーキングエリアに止まった。

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彼はミーシャと言った。ウラジオストクに向かって旅をしてるようだった。僕の状態を見ると、彼ははスプレーを取り出して僕のバイクに吹き付ける。すると、あれだけこびりついて離れなかった黒い液体が溶けて落ちていく。聞けばこれはガソリンのようだ。

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彼はチタに着いたらここに行くようにと、地図と電話番号を書いて渡した。ここに行けば誰かが助けてくれるそうだ。有難い。

ミーシャと別れ、僕はチタに向かって走り出す。途中、カフェに寄って休憩をしていると、ハーレーに乗ったライダーが僕に話しかけてきた。自己紹介をして、ミーシャに渡された地図を渡すと、彼はそこを知っているようだった。案内してあげるよと言われ、僕は彼について行った。

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案内された場所はライダーが集まるジャルガルという人の家だった。僕はそこにいたライダー達に歓迎された。バイクやジャケットの汚れは明日からどうにかするとして、今日はここのベッドを借りてゆっくり休ませてもらった。

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